初めての保護者会で話すこと
保護者会は1学期に1回くらい開催されます。
学校によって多少違いはあると思いますが、私が経験した学校では、クラス会、学年会、全体会と2〜3部制でした。
全体会は管理職の担当ですが、クラス会では担任が進行しなければなりません。そして、多くの保護者にとって、メインはこのクラス会です。
しかし、教育実習でたまたま経験していない限り、新卒や初任の先生にとって保護者会は未知の世界です。
私自身は、保護者会を担当しなければならない状況にもかかわらず、保護者会というもののイメージがまったくつかず、不安でした。当時、少しでもイメージがつけば心の準備ができたのになと思います。
同じような境遇の先生がいらしたら、少しでもお役に立てるのではないかと思い、今回は、保護者会の運営について書いてみます。
服装について
保護者会だからといって、スーツである必要はありません。
男性の先生はスーツが多数派ですが、技術や美術の先生など少しカジュアルめな服装の人もいました。でも体育科の先生はこの日だけはジャージからスーツに着替えていました。
女性の先生は、スーツを着ていたのは管理職くらいで、他の先生は綺麗めな格好、いわゆるオフィスカジュアルが多数派でした。
大人なので、特にこうしないといけないという厳密な決まりはありません。
個人的に大事と感じるのは、仕事のできる人感を演出することです。笑
そのために、綺麗めな格好をすること以上に重要なのは、自分のサイズや雰囲気に合った服をきちんと着こなすこと、そして清潔感があることだと思います。
例えば、普段全く着ないスーツを着て、サイズもちょっと合っていなくて、どちらかというとスーツに着られている人、みたいな人はあまり仕事ができるように見えません。
また、シャツやスーツがしわしわな人も清潔感に欠けるので、周りの人が大丈夫かなと不安になります。
さらに、リクルートスーツを着ている若い先生も、フレッシュさはあるかもしれませんが、逆に不安な印象を与えることもあります。一般的に、リクルートスーツ=就活をしている大学生という認識が浸透しているからです。
リクルートスーツが自分でもしっくりこないようなら、ユニクロのオフィスカジュアルを着る方がよっぽど仕事ができる人に見えます。
最近だとアイロンをかけなくても、シワにならないシャツなどもあるので、服の手入れが面倒な人は、そういう素材のものを選ぶといいと思います。
1学期、初めての保護者会
保護者会は年に3回ありますが、初担任でとりあえず困るのは、1学期の保護者会だと思います。2学期以降は慣れてくるので、自分のペースもつかめてきたり、いい意味で適当に進行できるようになってきます。
そこで今回は特に1学期の保護者会についてです。
1学期は、担任と1対1で話したいと思っている保護者が多いです。
例えば、うちの子は〇〇のアレルギーがあるとか、朝が弱いので遅刻することがあるかもしれませんとか、本当にいろいろです。その中には、小学校からの申し送りなどで中学校にも伝わっているけれど、念の為に改めて伝えておきたいというようなものも含まれています。
このような個人的な話は、クラス会が終わってから、保護者が個別に担任のところに来て話すというパターンになります。1学期は、この個別の相談、および挨拶に意外と時間がかかります。そのため、全体での話は短くまとめてOKです。
クラスの保護者全体へ、私が話していたことは、
- 軽く自己紹介
- クラスの最初の印象
- 担任としてどのようなクラスにしていきたいか
- 今後1年間の予定、見通し
- 何かあれば、いつでも連絡をください
だいたいこのくらいです。時間は、この内容だと5分もつかどうかというところ、長くても10分以内に収まっていたと思います。
また、地域によりますが、私の勤務校では1学期はこの後にPTAの係決めがありました。この進行はPTA役員の方がやってくれるので、教員が進行する必要はありませんでした。
では、担任の話の部分を詳しくみていきますね。
軽く自己紹介
とりあえず、担任自身の自己紹介をします。
そんなに大したことは言わなくて大丈夫です。
初任の場合は、素直に初任であることを言っておくといいと思います。
自分がどんなことを言ったのかは覚えないのですが、もし今同じ立場で保護者会で話をするとしたら、
「担任になりました〇〇です。私自身は大学を卒業したばかりで、この4月から〇〇中学校に着任いたしました。未熟なところもあるかと思いますが、学年主任や副担任など学年の教員とも連携をとりながら、クラス担任として頑張りたいと思います。何かお子さんのことでご不安なことなどありましたら、いつでもご連絡ください。」
というような感じでしょうか。
初任であることを伝えつつも、新米教員だから不安という感情を与えないように、フォローを入れておきます。
ゆっくり、落ち着いた声で話すのもポイントです。
クラスの最初の印象
これは必須ではありませんが、まず、最初にこういうクラスです、というように全体的な印象を述べます。
保護者の方も子どもの学校での様子は気になっていますし、先生は子どもたちのことを見てくれているんだなという印象を与えることができます。
全体の印象なので、そんなに細かいことを話す必要はありません。
例えば、
給食をもりもり食べる子が多くて、ほとんど毎日残食がないくらいで、とても元気のいいクラスです。(元気なクラスの場合)
運動会の練習では、率先して体を動かす子が多く、活発なクラスです。(元気でスポーツが得意な子が多い場合)
係の仕事や学級での仕事を進んで手伝ってくれる子がたくさんいて、とても助かっています。困っている友人に寄り添える子が多いクラスです。(大人しい子が多いクラスの場合)
運動会の練習では、みんなで頑張れと応援をしていて、とてもほのぼのした雰囲気のクラスです。とても優しい子たちだなという印象を持っています。(スポーツは苦手な子が多い、文化系のクラスの場合)
というような感じです。
何を言っても構わないのですが、伝えたいことを少しオブラートに包んで、ポジティブな言い方をするのがポイントです。
担任としてどのようなクラスにしていきたいか
これは今後1年間のクラス目標のようなことですね。ここもサクッとでいいです。
この前に話した現在のクラスの雰囲気を踏まえて、こういうところを伸ばしていきたい(例えば、大人しい子が多いので、自分たちで発言する力を伸ばせるようにしたいなど)というのも1つです。
また、今年度は〇〇の行事(職場体験や修学旅行など大きな行事)があるので、それを経て子どもたちが少しずつ自立の意識を持てるようにサポートしたい、など、年間のカリキュラムに沿ったものも言いやすいです。
あるいは、年度初めの学活などで子どもたちが学級目標を立てていれば、まずはそれを紹介し、それを踏まえて、その学級目標をサポートするように担任として努めたいという感じでも十分です。
今後1年間の見通し、予定
これは事務的な内容です。
学年会や全体会でも言われると思うので、そんなに詳しく言う必要はありません。だいたい以下の3つくらいです。
- 運動会や文化祭などの大きな行事や、家庭でもお金の準備や持ち物の準備が必要そうな宿泊行事などの日程
- 3者面談や保護者会など、保護者が学校に足を運ぶ必要がある日程
- 夏休み、冬休みの日程
その他、詳しくは資料などをご覧ください、というアバウトな感じでOKです。
何か質問はございますか?
「ここまでのことで、何かわかりにくかったところや、説明が不足していたところ、全体で聞いておきたいことなどございますか?」
と全体に呼びかけます。
何か保護者の方から聞きたいことがあれば、質問がくるはずなので、それに答えるようにしましょう。
もし自分ではわからない質問が飛んできたら、わからないので学年の教員に確認して後でお答えしますね、と言って、PTAに進行を引き継いだあたりで他の先生に確認をとります。
でも実際には全体で質問をしてくる保護者はそんなにいないので、ここも形式的にあっさり終わることが多いです。
何かあればいつでも連絡をください
最後に、「お子さんのことや学校のことで何か気になることなどがありましたら、いつでも連絡をください」と結んで終わりです。
ここまで、どんなにゆっくりしゃべっても10分です。
私は副担任をしたことがないので、他の先生方の保護者会を見たことがありません。
でも、他の先生方はもっと長く保護者会をされていて、職員室に戻るのは毎回私が1番でした。
初年度などは、期限付として着任して次の日くらいに保護者会だったので、保護者会がどういうものかもわかっておらず、話すことがなさすぎてすごく早く切り上げました。様子を見にきてくれようとした学年主任がクラスに到着する前には終わって、私は職員室に向かっていました。笑
それでも保護者からも教員からも、保護者会の内容について文句を言われたことはありません。
他の先生方が何をそんなに話されているのか、今でも謎ですが、おそらく、後のPTAの係決めなどで時間がかかっていた場合も多いようです。
そこはPTA役員の方の力量によるところが大きいです。
私のクラスでは役員の方がとてもしっかりした方で、保護者会の前にほとんど根回しをして係を決めてきてくれたりしていました。
個別に言いたいことがある保護者の話を聞く
全体での話が終わったら、「もしお子さんのことで個別に何か言っておきたいことなどがあれば、しばらく私は教室にいますのでおっしゃってください」と言います。
私が受け持ったクラスでは、だいたい5〜10人くらい、多いと10人以上の保護者の方が声をかけてくれました。
担任の顔を見て個別に話をするのが保護者会に来る目的、という保護者の方も一定数いらっしゃいます。
列になったりするとプレッシャーですが、中には「〇〇の母です、よろしくお願いします」というだけの方もいらっしゃったりして、意外とかかる時間は人数には比例しませんでした。
でも逆に、どんなに後に列があっても気にせずひたすら話が終わらないというパターンもあるので注意が必要です。あまりに長くなるようなら「すみません、後でゆっくりお聞きしてもよろしいですか」と言って後ろの人を先に聞くか、心配な場合は、学年主任などに何時頃に見にきてくださいとあらかじめ言っておくと安心です。
相談内容はさまざまで、食物アレルギーや服用している薬など健康面のこと、または配慮が必要なことなど、重要なこともあったりするので、とりあえず名前と主訴をメモしておきましょう。
まとめ
いろいろな保護者がいて、ほとんどの保護者とは、保護者会で初めて顔を合わせることになるので、初任の先生にとっては不安と緊張が大きいです。
でも保護者会には正解はないので、自分のやりやすいやり方で進行すれば大丈夫です。また、周りの先生方に聞いてみるのもいいと思います。
もし、参考にするものが少ないという場合は、今回書いたやり方も試してみてください。
今回の記事が少しでもどなたかの参考になれば嬉しいです。