仕事術

大学生から教員採用試験合格後、やっておくとよかったこと

hana

秋は教員採用試験の結果が出る季節ですね。

私は東京都の期限付任用教員としての名簿搭載だったので、正規合格の方とは仕事が決まった時期がだいぶちがいます。

でも、教員として勤務した経験があるからこそ、今ふりかえると教員採用試験に受かってから、大学生のうちにやっておくといいなと感じることがあります。

今回は、誰かの参考になればと思い、先生になることが決まった人が大学生のうちにやっておくといいことを書いてみます。

①自分のために時間を使う、人生でやってみたいことをやる

最もやるべきことは、旅行や趣味など、自分のために時間を使うことです。

教員に限ったことではありませんが、社会人になるととにかく時間がありません。

旅行という点については、夏休みを利用すれば、教員は他職種よりはまとまった休みを取りやすいので、全く行けなくなるということはありません。

でも、学生のうちの旅行は、友人と時間を合わせやすいので複数人での旅行がしやすい、航空券などが安い時期に旅行できるなど、メリットが多いです。

また、旅行以外にも、ゆっくり家族と時間を過ごす、一人の時間を大切に過ごすなど、時間が必要とされることもやっておくと良かったなと思います。

今やるなら、欧米など遠いところへの旅行、カフェめぐり、長めの帰省などをすると思います。

また、SNSの発信活動などやってみたいと思うことがある人は、とりあえずやってみるべきです。教員になってもできないわけではありませんが、スタートは早い方がいいですし、もし公務員になれば、大学生よりは社会的制約も出てきます。

②朝型生活に慣れる

学校の先生は、一般社会人の中でもかなり朝が早い職業です。

始業時間が8時くらいで、これも十分早いですが、実際には始業時間ぴったりに来る人はかなり少数派です。(1人だけ見たことがあります。)

私の勤務学校では、20人ちょっと教員がいましたが、なんと始発電車で出勤しているという人が2人もいらっしゃいました。すごすぎ。

ちなみに、私は始業時間の20〜30分前くらいに到着していました。それでも家を出るのは7時過ぎでした。

ここから逆算すると、少なくとも6時台に起きる必要があります。

もちろん人によりますが、これは一般的な大学生にとっては早すぎる時間です。

私は仕事を始めてからも、最終的に夜型を克服することはできなかったのですが、睡眠不足は健康にも仕事のパフォーマンスにも、すべてに悪影響なので、できれば少しは朝型生活に慣れておく方がいいです。

大学生で朝活ができると、自己肯定感がとっても上がりそうです。起きることに楽しみを見つけると起きられそうなので、ぜひ、朝の時間に何かやってみてほしいです。

③自分のための勉強をする

学生のうちに、資格勉強や社会人として活かせる勉強をやっても良かったかなと思います。

個人的には、教員というより一般社会人として役に立つようなスキルを勉強することがおすすめです。

特に、先生になろうとする方には、コツコツ真面目に取り組める方も多いので、大きめの資格にチャレンジするのもおすすめです。

お金に関する資格

資格としては、簿記やフィナンシャルプランナーなどお金について学べるものは、社会人として役立ちます。

教員という職業には、ビジネス的な視点がほとんどありません。

個人的にはその視点の欠如が、非効率な業務がいつまでも減らない原因の1つだと思いますが、お金の勉強は、世の中の常識を身につけるという意味でもおすすめです。

たまに職員室にも、どこから名簿を手に入れたのか、不動産の営業などの電話がかかってくることもありました。このような営業による投資はだいたい危険なものです。

お金の知識は、このような詐欺まがいの話に引っかからないようにするだけでなく、社会人として生活にとても密接に関わるものです。

例えば、税金やクレジットカード、将来への備えなどです。

中でもつみたてNISAやふるさと納税など、やった方がいいことでも、よくわからない、めんどくさいという理由だけでやっていない先生方は多いです。

最初はよくわからなくても、少しづつやってみることで理解できるようになってきます。

ITやパソコンに関するスキル

また、資格ではないですが、一般社会人としても教員としても役立つのは、ITやパソコンに関する知識やスキルです。

教育現場でもかなり前からICTの活用が叫ばれていますが、現在でも教員の中には、パソコンが苦手な人が多いです。

そんな中で、少しでも知識やスキルがあると、それだけで重宝されたり、すごいねと言ってもらえます。

また、若いというだけでICTの校内研究チームや研究会に入れられがちです。

パソコンのスキルを身につけることの利点は、個人でできる仕事を任せてもらえることです。

教員の仕事の大変なことの1つに、チームでやらないと終わらない仕事があることだと思います。でも、ITに関わる仕事の多くは、1人で黙々と作業できることが多いです。

もちろん人によりますが、自分のペースでできる仕事は、とてもやりやすかったです。

具体的に、身につけるといいなと思うスキルは以下のようなものです。

タッチタイピングのスキル

タッチタイピングは、寿司打などゲーム感覚で練習できるものがWeb上にあります。

最近ではフリック入力は早いけれどタイピングはあまりできないという人もいますが、学校では支給されたパソコンを使う必要があるので、PCでの入力方法も少しでも練習しておくといいです。

私は、タッチタイピングができるだけで、おばちゃん先生から感心されて、校内研修会で外部講師が来るときの書記役を任されました。(パソコンをかちゃかちゃしているだけで何も考えなくていいのでとても楽でした。笑)

また、学期末の所見の入力は誰よりも早かったです。

エクセルの使い方、余裕があればマクロ

学校現場で使われているソフトとしては、Excelと一太郎が2大巨塔です。

今の若い人からすると一太郎って何?っていう感じだと思います。一太郎は、国産のソフトで、学校現場や市役所など公務員の間では今でもよく使われているようです。

といっても、私は一太郎は一度も使いませんでした。なので使わないと生きていけないということはありません。

その代わりに使っていたのが、マイクロソフト社のExcelとWordです。

特に、Excelはテストの解答欄を作る、成績処理、教材費計算の会計処理の計算など、ちょっとしたことにもよく使いました。

信じられないことに、私がいたところでは学年会計の計算を電卓を使ってノートとペンでやっていました。教員の勤務時間が長い理由の1つは、こういうアナログ作業が多すぎることだと思います。

私が担当になったときに、それを Excelシートで作ったところ、おばちゃん先生にものすごく感謝されました。難しい関数など使えなくても、Excelをさわれるというだけで役に立てます。

また、先生の通常業務をするだけであれば、普通の表計算ができれば十分ではありますが、もし余裕があればマクロの勉強をしておくと、自動化によりさらに時間が短縮できて良いと思います。

YouTubeなど無料でも勉強できますし、本屋さんにもたくさん本があります。私はUdemyでマクロを勉強しましたが、セールをしていれば2000円くらいでかなりのボリュームの動画付き教材を購入することができます。

iPadまたはタブレットを使うスキル

現在の学校現場では、タブレットを使っているところが多いです。最低限、子どもたちに質問されても答えられるくらいの知識があると安心です。

とはいえ、使われるタブレットの種類は、自治体によって違うので、自分が実際に触ってみるというのが現実的です。

現在学生または既に教職員の方であれば、Apple社の学割が使えるので、iPadを自分用に買って使ってみるのがおすすめです。iPadであれば、Goodnotesというノートアプリで教材作成もできますし、自分の勉強にも使えるのがいいです。

上級者向け:動画の編集スキル

これは余裕がある人向け、またはPCを触るのが好きな人向けです。

YouYuberのような完璧な動画編集のスキルを身につける必要はありません。

簡単なムービーを作れるだけでも、学校内で役立てる場面がたくさんあります。パッと思い浮かぶだけでも、ホームページ用に学校紹介のムービー作成、運動会や文化祭など行事の学内用ムービーの編集、卒業式で流すムービー作成などです。

私の勤務校では、若い男性の先生がされていましたが、この作業自体が好きらしく、楽しそうにされていました。また、保護者会や卒業式で上映すると、保護者の方からもすごいと言っていただいていました。

特に教員の中ではできる人がまだまだ少ないので、かなり強みになると思います。

私自身は、当時動画編集などやったことがなかったのですが、卒業生を送る会で転勤された先生方のビデオメッセージを上映することになり、いろいろ調べながらiMovieで短い動画を作りました。

動画としてのクオリティは高くないですが、子どもたちからとても評判が良かったです。現代の子どもたちはYouTubeを当たり前に見ているので、動画への親和性がとても高いようです。

④もし、余裕があれば…担当教科の準備をする

個人的には、教科の準備を含めて教員としての準備は、働き始めてからやれば良いと思っています。

というのも、教科によっては、何年生を担任するのか、どの教科書を使っているのか、配属される学校が決まるまでわからないからです。

家庭科などのように、1人ですべての学年を担当する場合はすべてを準備すればよいのでやりやすいかもしれません。それでも例えば東京都の場合は、配属先が特別支援学級だったなんてこともありえます。

なので少なくとも配属先が決まってから準備すれば十分です。というより、初任の場合、元気に毎日出勤するだけで期待を超えられます。

でも、不安が強い人や、夏休みの初日に宿題を終わらせるタイプの人は、準備をしておくといいです。

やるべき準備は教科によって様々ですが、何をやればわからない人は、とりあえず教科書会社のホームページなどを探してみると、いろいろな教材や動画が公開されていたりするので参考になります。

まとめ

大学生は、比較的時間があります。

時間は人生のうちでとても貴重なものです。

就職してからの準備もいいですが、せっかくならやりたいことをやってみる、大切な人と一緒に過ごすなど、自分のために時間を使うのがおすすめです。

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はな
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東京都の期限付任用教員を経て、正規採用で中学校の教員となる。初年度から中学校の学級担任と家庭科を担当。
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