仕事術

期限付任用教員として任された仕事5つ

hana

今回は、私自身が期限付任用教員として任された仕事について、書いてみたいと思います。

ただし、期限付任用教員は、欠員を埋めるという立場なので、新規採用の先生方と比べると、職場の状況やそれぞれに求められる役割が様々です。

あくまでも、期限付という立場になったけれど、仕事が来たらどうなるのかよくわからないときの一例として、読んでいただけると嬉しいです。

任された仕事

私が任された役割は主に、クラス担任、教科主任、進路指導部の分掌、部活動、行事の係、の大まかには5つでした。

それぞれについて振り返ります。

①担任の仕事

まず最も大きな仕事が、中学校の普通学級担任です。担任業務は、1年を通して最もインパクトがあって、最も仕事のボリュームが多かったなと感じました。

そもそも、私は期限付の仕事を実際にいただいたのが、4月になってから、しかも始業式が終わった後でした。

そのため、勤務開始の前日に校長と面談をするまで担任をするまで、まさか担任をするなんて思ってもいませんでした。

だいたい、正規採用だったとしても、最初の1〜2年は副担任として担任の仕事を見ておけばいいものだと勝手に思い込んでいたので、とにかく驚きました。(当然何の準備もしていなかった。)

そして蓋を開けると、クラスの人数は40人でした。

仕事が決まったのがあまりにも急だったので、生徒の名前はおろか、クラスの人数も対面するまで知りませんでした。初めてクラスと対面する日の朝、私を紹介するために一緒に来てくれた学年主任に階段を登りながら聞いて、え?マックスなの⁉︎と衝撃を受けたことを覚えています。

教員不足が叫ばれる今では珍しくないのかもしれませんが、担任不在でクラスがスタートしたので、途中からきた先生に対して、生徒はすごく物珍しい目で見ていたような気がします。

でもクラスの人数は40人とマックスでしたが、後になって、どんな先生が来てもいいように、生徒や保護者のことなど、かなり考えてクラス替えをしていただいていたことがわかりました。そのため、他のクラスと比べるととても担任がやりやすいクラスでした。

また、校長先生の方針で、私が配属になった学校では、若手が担任をしてベテランの先生がサポートをする体制だったので、わからないことは副担や学年主任になんでも聞いたり、こちらが知らないことも、こっそりアドバイスをしていただいたり、とても恵まれた環境でした。

生徒や周りの先生方の支えもあって、決して100点ではありませんが、なんとか普通に仕事ができました。あの時の周りの先生方、また子どもたちや保護者の方たちには本当に感謝しています。

担任の業務は本当に多様です。

朝学活や給食、掃除、帰りの会など生徒と毎日顔を合わせるのももちろんですが、必要があれば保護者への対応、三者面談、さらに宿泊行事の準備、体育大会や合唱コンクールの準備などもあります。

保護者対応と一口に言っても、中にはお金の集金なども含まれていたり、不登校の保護者への連絡、学校での生徒間のトラブルに関する連絡などさまざまです。内容の重さは日によっていろいろですが、基本的に保護者と電話をしない日はありませんでした。

当時は、とにかく毎日必死でしたが、後から振り返ると、とても先生らしい仕事でした。子どもたちや保護者の方など、コミュニケーションの上に成り立つ仕事が多いので、先生を目指す人にとっては、やりがいを感じられるところだと思います。

②教科の仕事

私は担当が家庭科で、基本的に教員が1人しかいない教科であるため、授業の計画や準備は全て自分がする必要がありました。(厳密には、教科は技術家庭科なので、成績は技術の先生と合わせて出します。)

これにはとても困りました。

なぜなら、私は教育学部でもなく、教育実習も最低限で、その後、教育とはまったく関係ない分野の、自由を絵に描いたような人文系の大学院に行ったため、学校現場とあまりにも離れていて、授業で何をすればいいのか、評価ってどうするのか、など具体的なイメージがまったくできないような状況でした。

そして最もダメージが大きかったのが、諸事情があって前任者からの引き継ぎがゼロだったことです。2,3年生が前年度までに何を学習したのかもわからなくて、教務部の過去の年間指導計画の資料で確認しました。

とはいえ、すぐに授業が始まってしまうので、とりあえずは教科書を読んで、それに沿って授業ができるように頭の中でイメージしつつ、最初の数週間を過ごしました。当然、恐ろしく退屈で内容も薄いというか、教科書読めばいいじゃん、というような授業でした。教員としてどうなのかと自分でも思います。

それでも、当時はそれで精一杯だったし、自分に甘いですが、授業していただけでもよく頑張っていたなと思います。

そうしてなんとか毎日を自転車操業でやりくりしているうち、区の同じ教科の先生が集まる機会がありました。その会で、経験がありそう、かつ、話しかけやすそうな先生に近づいて、状況を説明し、教科の授業で困っていることを相談すると、授業のプリントなどを送るね、と言ってくださいました。そして、後日、学校にファックスで資料をたくさん送ってくださいました。本当にありがたかったです。

その会では、他の先生方の様子(実習ではどのような教材を使っているのか、教材費はいくら集めているか、成績のつけ方など)もお聞きして情報を集め、そこから自分の授業を立て直していきました。

もし同じような状況の先生がいらっしゃったら、とにかく同じ教科の優しそうな先生を見つけて聞く、できれば資料をいただくというのが一番効果的です。

複数で担当する教科ならばその先生方に聞くのがよさそうですし、もし私のように1人教科で知り合いもいない、という場合には、教育実習でお世話になった先生などでもいいかもしれません。とにかく、ありとあらゆる手段で情報を集めましょう。

そして、年度初めは、年間指導計画の提出などが教務課から求められますが、これはだいたい教科書会社などがモデルを公開してくれています。とりあえず、それを参考に出しておけばOKです。

③分掌

分掌は進路指導部を割り当てられていました。

学校や地域によって分掌の種類が違うのかもしれませんが、個人的には進路指導部や教務部が好みでした。(生活指導部はゆるく生きてきた私には馴染めなかったと思います。)

これは他の仕事と比べてそんなに大変な仕事はなく、学外への出張や事務的な仕事が多かった印象です。

ちなみに2年目以降は教務部も経験しましたが、これもかなり事務的な仕事でした。

だいたいの学校で、生活指導部は体育会系、教務部は事務系などそれぞれの分掌のカラーは共通しているはずです。

私は途中から入ったので、とりあえず空きがあるところに入りましたが、分掌は人事に関する面談などで一応希望を出せることもあるので、強い希望がある場合には、伝えてもいいと思います。

④部活動

中学校では暗黙の了解のもと、基本的には何らかの部活動を担当する必要があります。

マストではないので、とても意思の強い先生が、断固拒否して何の部活動も担当していないというのも聞いたことはありますが、私にはそんな強い意志はありませんでした。

そして一般的には、初任者だと部活動なんて選べないと思いますが、私の場合は、校長先生が配慮してくださり、2つから選ばせていただきました。

私にとってはどちらも経験がない部活動だったので、部員の男女比などを考慮して、校長先生がこっちの方がいいんじゃないかとおっしゃっていた吹奏楽部の副顧問を担当しました。

結果としては、音楽の先生がいらっしゃたので、音楽的な指導はすべてその先生がしていただいて、私は部費の管理やコンクールの引率、外部指導員さんとのやりとりなど、事務的なことをするという役割分担になりました。

吹奏楽の専門知識がなくてもできる仕事で、時間的にもずっと拘束されるものではなかったので、当時としてはそれほど負担は感じませんでした。

ただ、これは学校の部活動に対するスタンスや、何の部活動に当たるかという運の要素も大きいです。

部活動に熱心な学校で強い運動部の担当になると、学校や生徒、さらに保護者からの圧力があって、休日も顧問の意思で決められない場合もあります。

身近にも、サッカーしかやったことがないのに、若いというだけで野球部の顧問に当てられたという先生がいました。そのような場合も、みなさん頑張ってその競技を勉強されたりしてきちんと部活動をしていて本当にすごいなと尊敬します。

でも個人的には、無理なことは無理と言っていいと思います。

無理してできないことをやるより、管理職に相談して、できる仕事への配置転換を交渉するなどの方が、生徒にとっても先生にとってもお互いに良い結果が生まれるはずです。

⑤行事の分担

学校によってちがうかもしれませんが、教員全員が体育大会と文化祭のどちらかに所属していました。

これはイメージ通りな感じで、体育大会チームは体育会系の雰囲気、文化祭チームは文化的な雰囲気でした。

結局、配属されなかった方の行事でも全員の教員で仕事を分担するので、文化祭チームになったからといって体育大会に参加しなくていいわけではありません。チームの仕事は主に運営の部分の事前準備の分担です。

どちらになるかという振り分けは、ある程度決められていたと思うのですが、教科によっては自動的に決まる先生もいました。

例えば、体育の先生が体育大会のチームというのはイメージがつきやすいですよね。一方で、音楽、美術、技術・家庭科、国語の先生は文化祭を担当していました。

家庭科で文化祭を担当する理由は、裁縫の作品の展示などをしていたからです。技術や美術の先生も作品の展示を担当していました。国語の先生も、書写の展示や、文化祭の中で開催される弁論大会の指導を任されていました。

人によって得意不得意はあると思いますが、私はインドア派なので、文化祭チームで良かったです。

ただし、私の勤務校では、体育大会が5~6月でした。そのため、体育大会の担当の先生は体育大会以降には仕事がなく、仕事をしている期間自体は短ったです。

一方で、文化祭担当は基本的には事務作業ですが、外部のホールの予約などかなり前からやることがありました。

いずれにせよ、年間を通しての仕事ではないので、後から振り返ってみると、それほどしんどかったなという感じはありません。

また、初任に限らず、その学校に初めて転勤してきた先生も、学校ごとの行事のことはあまり知らないはずです。わからないことは、周りの先生に聞けば、優しく教えてくれるので大丈夫です。

まとめ

以上が私が経験した主な業務です。

期限付任用教員はピンチヒッターとして呼ばれることが多いので、人によって仕事内容は本当に様々です。

あくまで1例ですが、期限付と言われて不安に思っている方に、少しでも参考になれば幸いです。

ABOUT ME
はな
はな
東京都の期限付任用教員を経て、正規採用で中学校の教員となる。初年度から中学校の学級担任と家庭科を担当。
記事URLをコピーしました